Q:署名活動は有効?(津田大介の「メディアの現場」vol.14 「140字で答えるQ&A」より)
津田マガ記事
(※この記事は2011年12月07日に配信された記事です)
■Q1 質問は「署名活動は果たして有効なのか」です。運動の一環としてよく署名活動が行われています。自分も過去にいくつか署名した経験があり、最近では風営法に対する改善要求の署名活動に参加しました。ただ、果たしてこれが有効に働いているのかやや見えづらいというか、実感を感じられないんですよね。実際のところ、こういう署名活動が行政サイドに対するインパクトたり得ているのかどうか。あるいは署名活動以外にも、個人でできるもっと有効な活動手段があるんでしょうか。
□A1 「署名活動は果たして有効なのか」。署名ですべてが変わるわけではないけれど、ムダじゃないだろうとは思うんですよね。パブリックコメントという制度があるじゃないですか。公的機関が規則などを制定するに先立ち、一般の人に広く意見を求める制度です。あれは有名無実化してはいるけれど、投票以外の形で「民意を表明する」という意味では唯一のものなので意義はある。署名はそれに近いものなのかなと。ただ、署名活動を通じて世の中を動かそうとしたら、それこそ万単位の署名を集めないとダメでしょうね。かつそれを、利害関係を共にするような政治家のところに持って行って、「この署名を無視したら、もしかすると大変なことになるかもしれない」という危機感を持ってもらわないといけません。そこのマッチング・効果測定が一番大事かなと。地方自治体のような行政に対して何か要望があるならば、民間でも利用できるさまざまな制度が用意されているので、そっちを利用するといいですね。たとえば条例を変えてほしいんだったら、地方自治法は第74条で条例の制定改廃請求権を住民に認めているから、それを利用するとか。国政に関しては、国民投票のように直接民意が反映できるような制度があるわけじゃないから、政治家に直接ぶつけていくことが多分重要になるでしょう。まとめると、「署名ではなくもっと有効な活動手段」、これは有権者の一人として自分の選挙区の政治家に電話をし、「自分はこういうことを問題視していて署名活動なんかもしています、あなたはどういうふうにお考えですか」と問うことですよ。彼らにとって一票は、やっぱりすごく重いですから。とにかくそれがもっとも有効な活動かなと思いますね。
最終更新: 2011年12月7日