• 出版社: 中央公論新社
  • ジャンル:音楽
  • 判型:新書判
  • ページ数:256P
  • ISBN:978-4-12-150370-1(4-12-150370-8)
  • 発売日:2010/11/10
  • 価格:882円(本体840円)

未来型サバイバル音楽論

著作

USTREAM,twitterは何を変えたのか


牧村憲一/津田大介 著

「CDが売れない」と言われる音楽業界。その世界にいま大変革の波が押し寄せている。ライブ・フェスの盛況、双方向のコミュニケーションで生まれる音楽など、多岐にわたり徹底討論。アーティストが自由に発信できる時代の、音楽のあり方とは? 気鋭のメディア・ジャーナリストと、数々の名盤を送り出した音楽プロデューサーが、多角的な視点で音楽新時代に切り込んでいく。

 

今だからこそ問われるべき<未来型レーベル>の構想がここにある。――坂本龍一(音楽家)

 

 

目次

まえがき 津田大介

未来型音楽に不可欠なネット上のツール
 

第1章 いま、音楽業界に何が起こっているのか 津田大介×牧村憲一

1 音楽はゼロ年代からテン年代へ

  • ミュージシャンが直販できる時代
  • twitter×USTREAMの伝播力
  • iPadの本当の衝撃とは何か
  • 世の中がざわざわしている

 
2 普遍的なもの、そして未来型レーベル

  • 無知と壊すのは違う
  • 自分の音楽をドーピングさせる――初音ミクの事例から
  • 直販できる時代こその「ニューミドルマン」
  • 未来型レーベルを立ち上げよう!

 

第2章 過去のレーベル、未来のレーベル 牧村憲一

1 レーベルとは何か

  • 信頼の証としてのラベル=レーベル
  • フランスの小さな音楽出版社
  • サラヴァという理想
  • 村作りのレーベル作り

 
2 最初のレーベル・ブーム

  • 会員制のレコード会社――URC
  • インディーズとメジャーの間で――ベルウッドレコード
  • 映画・アニメにも進出――キティレコード
  • 政策宣伝に特化したレーベル――アルファレコード

 
3 「渋谷系」というムーヴメント

  • シティ・ミュージックとしての系譜
  • 「渋谷系」の時代――TRATTORIA
  • アンチ「渋谷系」という立ち位置――WITS

 
4 散開、そして再生

  • 若きミュージシャンの登竜門――NON-STANDARD/MONAD
  • 理想的に思えたMIDIレコード
  • “think global, act local”――commons
  • 5 もう一度レーベル作りから
  • 物語はらせん状に

 

第3章 コミュニケーション・マネタイズ 津田大介

1 大量複製時代のビジネスの崩壊

  • インターネットは「敵」の音楽業界
  • 二〇世紀ビジネスのかたち

 
2 〈音楽ビジネス〉、その周りにあるもの<

  • 音源だけではない
  • 360度契約の功罪

 
3 ライブハウス・フェスの盛況

  • CDは買わないがライブは行く若者
  • 悪名高き「ノルマ制」
  • 「場」を作るということ

 
4 テン世代アーティストの生き方

  • コミュニケーションを売る

 

第4章 未来型音楽のバックグラウンド 津田大介

1 音楽の楽しみ方の変遷

  • 贅沢品から誰もが楽しめるものへ
  • レンタルビジネスをめぐる攻防
  • CDの栄枯盛衰
  • 音楽とパッケージの分離
  • 音楽界になくてはならない「エコシステム」――iPod
  • 音楽と結びつきの強いSNS――MySpace
  • 「作り手」と「受け手」がつながるフラットな場

 
2 ネット時代の音楽著作権

  • 音楽著作権はなぜ生まれたか?
  • 日本の著作権管理の実態
  • 原盤権とは何か――着メロと着うたの事例から
  • 敵から味方に変わったYouTube
  • 新時代の著作権・原盤権との付き合い方
  • DOMMUNEの投げかけたもの

 
3 音楽新時代の寵児たち

  • 直販の先駆者的存在――まつきあゆむ
  • 音楽業界とボーカロイドを接続――小林オニキス
  • 新しいプロデューサー像を模索――島野聡
  • ユーストリームで公開レコーディング――向谷実
  • アーティストが自立できる環境を――七尾旅人

 

第5章 それでも人は昔を楽しむ 津田大介×牧村憲一

1 どうしてCDが売れなくなったのか?

  • レンタルビジネスがもたらしたもの
  • カラオケ文化を肯定して生まれた音楽
  • CDに対する惜別の思い

 
2 「形のある」音楽に生き残る道はあるのか

  • アルバムの可能性
  • もしもセールス・プロモーションをまかされたら

 
3 これからフェスは増える一方なのか?

  • 二〇一〇年、フェス・ブームのピーク
  • 音楽がつながる場としてのフェス
  • フェスの成熟を迎えて

 
4 新しい「文化」の生まれる兆しはあるか
 

あとがき 牧村憲一
 

最終更新: 2010年11月1日