- 出版社: 中央公論新社
- ジャンル:コンピュータ・IT
- 判型:新書
- ページ数:262P
- ISBN:978-4-12-150415-9 (4-12-150415-1)
- 発売日:2012年4月7日
動員の革命
著作
あなたは、この革命を体感しているか?
ソーシャルメディアはかつてない「動員」の力を発揮している。「アラブの春」、震災復興からビジネス、報道の世界まで、インターネットの枠を越えて現実社会を動かすエンジンとなっている。ソーシャルメディアでジャーナリズムの可能性を模索してきた著者が「情報」の未来を語る。
恐れず理解し、使いこなせ!
目次
はじめに――1200人を呼び込む力
第1章 ソーシャルメディア×革命 「アラブの春」を起こした真の力とは
1 ソーシャルメディア・インパクト
- ツイッターの利用者は1700万人
- 鳩山元首相に始まり、「流出」に終わった2010年
- アラブの春から東日本大震災、ステマまで
- インターネットはストック型からフロー型へ
2 そもそも、ソーシャルメディアってなんだ?
- ユーザーが双方向に情報を交換するメディア
- ソーシャルメディアの登場と発展
3 中東の革命、先進国の動乱
- 情報統制に対抗する手段としてツイッターを利用
- ついに抑えきれなくなったジャスミン革命
- 若者たちの怒りが爆発する
4 「動員」という革命
- 外へ出ていき、「変われ!」と叫んだから変わった
- 「出る杭」から「納豆」へ
- 多種多様な世界の人と知り合うきっかけに
第1章・対話編 モーリー・ロバートソン×津田大介 ソーシャルメディアで世界は変わったか
1 世界のソーシャルメディア最前線
- ミンクの毛皮で反プーチン・デモ
- 「携帯のおまけ」が運動を広げる目的で使われた
- 中国の「金の盾」はハッタリ
- ネットの検閲をアウトソーシングしている
2 ソーシャルメディアとともに有機的に進化していく革命
- 世界中を駆けめぐった少女の死の瞬間
- 政府の脇の甘さを突いたジャスミン革命
- アマチュアのジャスミン革命からプロのエジプトへ
- 「悪の美学」の発露としてのロンドン暴動
- 大人の戦いのオキュパイ・ウォールストリート
3 日本のデモは何が未成熟なのか
- 主体なきデモ、フジテレビ騒動
- 呉越同舟するための方法論が日本にはない
- ソーシャルメディアが明らかにしたこと
第2章 ソーシャルメディア×情報発信 ムーブメントを起こすために必要なこと
1 発信者が押さえておくべき5つのキーワード
- 「情報発信をしなければリターンはない」
- 5要素を上手く使って「動員」を起こせ!
2 僕ならソーシャルメディアをこう使う Part1 ビジネス
- ソーシャルメディア利用の3つの目的
- 苦情への対応を全てオープンにする
- 少額の支援活動を取り入れてブランド力を上げる
- ソーシャルメディアで企業はどうふるまうべきか
3 僕ならソーシャルメディアをこう使う Part2 街おこし編
- セーシェル共和国の国家モデル
- 人は何にお金を払うのか
- 地方のコミュニティを固定化するには
- 「得手に帆を上げる」ことで盛り上げていく
4 僕ならソーシャルメディアをこう使う Part3 ジャーナリズム編
- お風呂で知った尖閣事件
- ソーシャルメディアは拡声器であり、情報源
5 手段が変わると、世の中も変わる
- コンシューマライゼーションの時代
- モバイル、クラウドの発展が動員の革命を変えた
- アイディアが即座に実現できる環境は整っている
第2章・対話編 宇川直宏×津田大介 ソーシャルメディア時代のスーパースターとは
- フリースタイルが求められる時代
- ライフキャスティング、その動員の秘密
- 有吉弘行から考える〈人の気〉のメカニズム
- 「わら人形」的メンタリティとは
第3章 ソーシャルメディア×震災 東北復興のためにできること
1 震災直後から活躍したソーシャルメディア
- 震災当日の連絡は全てツイッターで
- 原発情報より炊き出しの情報がほしい
2 テレビとネットが手を組んだ
- 被災地でも効果的だったサイマル放送
- ユーチューブで家族の無事を知る
- テレビでは切られてしまう情報が重要
3 ソーシャルメディアのマイナス面は?
- デマとどう付き合いか
- 救命情報が消えない
- 情報格差は“生死”に関わる
- もっと簡単に、もっと楽に
4 ソーシャルメディアで復興の速度を速めるには
- 情報/雇用/お金
- マスメディアは飽きるが、ソーシャルメディアは飽きない
- 一枚岩でまとまれない現実を伝える
- ほとんど報道されなかった潮来市の災害情報
- 9億もの義捐金を集めた栄村
- 善意を金銭化するには
第4章 ソーシャルメディア×未来 新しいマネタイズの方法とは?
1 これから「寄付」がブームになる!
- 税制の改革で「寄付文化」が浸透
- NPOの機能をソーシャルメディアで
2 マイクロペイメントは世界を変える
- 少額のお金を簡単に送れる仕組み
- 親切を数値化できる
- 海外のソーシャルメディアが狙うのは個人間送金サービス
- 社会を動かすエンジン
3 クラウドファンディング
- クラウドファンディングとは?
- 1年で82億円も集めたキックスターター
- 日本では社会貢献活動から
- 共感がお金を呼ぶ
第4章・対話編 家入一真×津田大介 ソーシャルメディアの力でマネタイズする
- クリエイターが資金調達をするために
- 真面目な企画からバカっぽい企画まで
- リターンの設定が何よりも重要
- 「これいいね!」が拡散していく
- クラウドファンディングからファンクラブモデルへ
- 個人をマネタイズする仕組み
おわりに
特別鼎談 中沢新一×いとうせいこう×津田大介 「動員」で世の中を変えていこう
- 新しいデモのかたち
- デモと音楽
- 民意と政治をつなぐ
- ロビイングもすごく重要
- 地域と密着したデモ
最終更新: 2012年4月7日