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テレビ、ラジオ、Twitter、ニコニコ生放送、Ustream……。マスメディアからソーシャルメディアまで、新旧両メディアで縦横無尽に活動するジャーナリスト/メディア・アクティビストの津田大介が、日々の取材活動を通じて見えてきた「現実の問題点」や、激変する「メディアの現場」を多角的な視点でレポートします。津田大介が現在構想している「政策にフォーカスした新しい政治ネットメディア」の制作過程なども随時お伝えしていく予定です。

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デジタル日記 2012年3月21日~3月27日(津田大介の「メディアの現場」vol.27より)

津田マガ記事


(※この記事は2012年3月28日に配信された記事です)

■3/21(水)■

●朝起床したらノドが痛い。

●風邪引いたくさい。

●10時から福岡市役所。講演をしたあと、ソーシャルメディアを使った福岡市の広報PRについて意見交換。

●お昼前からランチミーティング。意見交換はまだ続く。福岡の特性とか景気とかいろいろ聞いた。

●13時45分発のスカイマークで帰京。

●「ダ・ヴィンチ」が主催する電子書籍AWARDの授賞式に出演するため、羽田から渋谷のセルリアンタワーに向かうも、道路渋滞がひどくて集合時間の16時30分には到着できず、結局会場入りして会場の審査員席に着席したのは授賞式が開始される17時直前である16時58分くらいだった。

●⊂(^ω^)⊃セーフ

●アワード終了後、同会場で懇親会。出版業界や電子書籍業界の有名人とかたくさんきていて、バブリーな感じのパーティーに。

●パーティー終了後麹町のTOKYO MXに向かう。

●21時から「ゴールデンアワー」本番。今日のテーマは風評被害。そこで話
に出たベルギーのダイオキシン問題についてのパスカルさんの言及が興味深か
った。別の機会に紹介します。

●22時に終了。MXの会議室を借りてエンジニアtypeからの取材。割と抽象的な話を聞かれて抽象的に答えるという珍しい形の取材に。

●終了後赤坂に移動。ゴールデンアワーのスタッフと4月以降の相談。

そこにいたADの女子からなんか言葉にしがたいすごい才能を感じた。世の中面白い人はたくさんいるもんだね。

●高円寺戻って『動員の革命』ゲラ直し作業。

■3/22(木)■

●睡眠不足のままお昼前に赤羽橋のラジオ日本に向かう。今回は「出口汪の
平成世直し塾」に出演。

●出口先生(@deguchihiroshi)は出口王仁三郎の曾孫で、俺が受験生時代
に毎日ラジオ講座を聴いてた現代文の先生。ラ講があまりにわかりやすかった
ので、夏期講習とか代ゼミの本校に行って聞いたりもした。

●西きょうじ先生(@dowlandjohn)と同じく、出口先生もツイッターでつな
がり、何度かやりとりさせていただいたことでラジオに呼んでもらった。

●普通に教壇の下から見上げて「すごいなこの人」と思ってた人と20年たってつながるこの感じ。しかしあまり俺のメンタリティーとしては20年前とほとんど変わっていないので、いろいろ不思議な気持ちになる。

●収録終了後、霞ヶ関に移動。16時40分から文化庁でMIAUのヒアリング。MIAU、ドワンゴ、福井健策さんが今の著作権法改正問題について意見を述べた。

●森ゆうこ文部科学副大臣(当時)からは「専門用語多くてよくわからない。関係各所の話を聞いて決めます」的なつれない返事をもらい、何のためにここに来てるんだという気持ちになる。ある意味正直でいいっちゃいいんだけどね……。

そういう専門性高い話題だからこその審議会行政なんじゃないのかと。審議会がバランス取って出した結論を2年も経たないのに議員立法で上書きすることのプロセスってどうなのよと怒りも感じたけど、正直著作権問題については自分にとっての興味やモチベーションがあまりなくなっているのも事実。ここまで周回遅れになっちゃったらね。もう行くとこまで行けばいいんじゃない?

とかネガティブになってもいられないのがこの問題の難しいところで、このあたりのフェアユースや違法ダウンロード刑罰化問題はいずれジャーナリズムやメディアビジネスの世界にも飛び火してくる話なんだよね。そこまで見越してこの話を追いかけてるメディア人がマスメディアにはホントに少ない。

●新聞協会は今回俺らと一緒にヒアリング呼ばれたんだけど、「新聞協会として意見まとめられないし、特に意見もないから行きません」って理由で来ねえし。そういうときに何かしらの対応をするためにわざわざ「協会」作ってるんじゃねえの?

●いろいろわだかまりを抱えつつ、人形町マジックルームに移動。

●20時から文化庁のヒアリングをテーマにした「ネットの羅針盤」を放送。

●風邪が久しぶりに酷くなり、体調がかなり厳しくなる。3時間ほど寝る。

■3/23(金)■

●午前5時に起床し、福島に向かう。

●一時帰宅の同行取材で20km圏内の富岡町を訪れる。

●富岡町までは車に取り付けて放射線を計測するシステム「Safecast」を利
用して、随時放射線量を測りながら移動した。

●結果はこちら→http://maps.safecast.org/drive/648

●最大で福島第一原発から3kmくらいまで近づいた。先日の除染モデル事業の取材と異なり、ある程度自分でいろいろなところを見に行けた。

●20km圏内のことは言語化するのが難しい。ただ、住宅地まで入ったことで「ここに人は住めないんだな」ということはわかった。それは、放射線量の問題とかそういう話じゃなく、「住めないんだな」と。いろいろなものが1年間放置されたことでここまで朽ちていくのか、といたたまれない気持ちになった。

●こうした地域を日本に作ってしまったことの「コスト」をどう考えるか。現地出身、もしくは訪れた人しか理解できないであろうこの感情がどこまで共有されうるのか。それによっても、原発をめぐる議論は変わってくるのだろう。

●不思議なもので、朝はあんなに体調が悪かったのに、変な緊張があったのか、夜には体調が回復していた。

●帰りにいわき湯本温泉で温泉に浸かり、一路東京に。18時30分にラフォーレミュージアム六本木に到着。

●19時からナタリーの5周年パーティー。

●いろいろな感慨深さも感じつつ、俺はもうナタリーの一員ではないのだな、ということも確認できる区切りのイベントだった。

●立ち上げに参加できたことに加えて、オープンから1~2年くらいはいろいろなきっかけを作ることができたし、そこの部分は自分でも良い仕事ができたと思ってるけど、ここから先のナタリーは今いる社員たちが作っていくものであって、もう歩いている道は違うのだな、と。それでいいんだとも思う。自分もナタリーでいろいろな勉強させてもらった。

●早く新しいメディア立ち上げたい。

●20km圏内からナタリー5周年パーティーへ。今日はさまざまな意味で区切りの日だった。

■3/24(土)■

●午前9時に起床。急いで新幹線で大阪に向かう。

●USTREAM AWARDにゲスト出演。出演しながらメルマガの日記書いたりしていた。

●懇親会は最初だけ出て、急いで東京に戻る。

●なんか大阪を無駄遣いした気分だ。

■3/25(日)■

●朝まではてなブックマークニュースの原稿。2時間くらい寝て13時くらいから原宿のニコニコ本社に。

●15時から全国高等学校デザイン選手権大会(通称・デザセン)で優勝した女子高生たちを招いた特番「【ニコニコ白熱教室】 もし女子高生が総理になったら!? 津田大介×女子高生3人」を放送。

●内容は彼女たちが優勝を勝ち取った『あなたのおうちに。開局!選挙チャンネル』(http://www.tuad.ac.jp/hidechamp/works/2011/w001.html)を見ながら、内容や制作裏話を聞くというもの。めちゃくちゃ面白かった。

●放送はこちら。タイムシフトで見られる人はぜひ。本当に面白いので観てね→http://live.nicovideo.jp/gate/lv86031962

●終了後、はてなブックマークニュースの原稿の仕上げにかかるがなかなか終わらない。

●18時30分くらいにナビゲーターがすべて集まったNEWS WEB 24の食事会に合流。

●食事会終了後高円寺に戻り、原稿。

●結局原稿が間に合わないので赤坂TBSに向かい、文化系トークラジオLifeに出演。出演しながらはてなブックマークニュースの原稿を仕上げる。

●Lifeでは珍しく愚痴モード。経営とかマネジメントとかホントにわからんよ俺は……。

●午前6時30分ころにLifeが終了。その後高円寺に向かう。あまりにも眠かったので中央公論新社Tさんにお願いして3時間だけ寝させてもらう。

■3/26(月)■

●午前10時過ぎに起床。『動員の革命』原稿&ゲラを進める。

●14時過ぎにNHKに向かう。16時ころからNHKのEテレ用番組「ハートネットTV」の収録。今回はコメント用ゲスト。

●「ハートネットTV」は、もともと教育テレビで歴史のあった「福祉ネットワーク」「ハートをつなごう」といった番組のリニューアル版という位置づけ。リニューアルということもあり、俺のような金髪にもお声がかかったみたい。

●俺以外のスタジオゲストは病児保育・病後児保育のNPOフローレンス代表の駒崎弘樹さん(@Hiroki_Komazaki)と、ケアプロ代表の川添高志さん(@kawazoetakashi)、石巻で仮設住宅向けバス事業を始めたNPOぐるぐる応援団代表の鹿島美織さん(@miori915)、被災地障がい者センター石巻当事者スタッフの阿部俊介さん。司会はNHKの山田賢治アナウンサー。実は山田さんは1973年生まれの同学年だった。

●今回の駒崎さん、川添さん、鹿島さんはなんと全員SFC出身。SFC出て社会企業して、成功していて素晴らしいし、彼らのような人たちがもっと社会で脚光を浴びるようにならないといけないと思う。

●俺もSFC行きたかった。

●終了後、仕事して、秋葉原で買い物→御徒町で夕食。

●体調がまた悪くなってきた。

■3/27(火)■

●朝まで仕事して5時くらいに寝る。しかし、体力の限界でもあったのか、なかなか起きられず、10時間くらい寝てしまって起きたら夕方。

●J-WAVEに向かい、20時からJAM THE WORLD。

●JAM終了後、博報堂の原田さんと日経トレンディネットのインタビューも兼ねた食事会。今時の学生などについて話す。

●25時ごろ『動員の革命』の最終作業をするため中央公論新社に到着。

●入れられてなかった細かい原稿と、あとがきを朝までかかって書く。

●単行本の場合、毎回あとがきはかなり力を入れて書くのだけれど、今回もいいあとがきが書けたんじゃないかと思う。

●残り3時間で超急ピッチで再校のゲラに赤字を入れる。

●午前9時前に『動員の革命』の俺の作業は全部終わった。まさか本当にこの本が出るとは思わなかったので、感慨もひとしお。遅くなっていろいろなところに迷惑かけた。次こそはちゃんとやっていきたい。

最終更新: 2012年3月28日

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